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- 2018.01.15 Monday
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今年の春くらいのこと、上海の事務所の近くに「上海○○養老服務公司」という会社名の簡単な机を置いただけの殺風景な事務所ができました。午後になるとおばちゃんたちが三々五々集まってきてワイワイしていたので、うちの事務所のスタッフに「あの会社、何やってる会社?」と聞いたところ「騙子公司(詐欺会社)」と・・・。詳しく聞くと、退職し養老年金をもらっている老人(中国の場合、退職年齢が日本より早いので老人というには語弊ありますが)から高い配当をうたって小銭を集めているようだということでした。
「2000元の元金を預けると2か月で800元の配当がある」ということらしく・・・、普通に考えたらそんなうまい話はないとわかりそうですが…。あり得ない高い利率の配当に乗せられて、結構な人がお金を預けていたようで、更には、次の人を紹介するとそのマージンが貰えるというマルチ的やり方もやっていたようです。
その詐欺会社も通常の投資詐欺と同様に最初のうちは次々に入ってくる投資資金を使って自転車操業で高い配当を渡していたのだと思います。いつまでその資金が続くのだろうと高みの見物をしていたところ、先月、お昼から廊下からおばさんが何かを叫んでいる声が聞こえてきて、その声はその日の午後中ずっと続いていました。その詐欺会社が飛んで、もらえるはずの配当がもらえなかったために騒いでいたとの話でした。会社はもちろんもぬけの殻ですからだれを相手に騒いでいたのかわかりませんが…。
おばちゃんは「配当よこせ」と騒いでいたようですが、「おばちゃん、配当の心配より元金の回収を先に考えたほうが・・・」とアドバイスしたくなる出来事でした。
ちなみに聞くところによるとビル掃除をしているアイ(おばちゃん)も投資しているおばちゃん達に乗せられて、いくばくかのお金を投資したのですが、家族にその話をしたところ、家族中から「そんなうまい話はない、詐欺だから投資したお金を取り戻せ」と言われ、まだ詐欺会社破綻前だったため、元金は無事取り戻せたようです。
■筆者: 永野弘子(税理士)■------------------------------------------------
キャストコンサルティング株式会社